白猿の湯
 
 
基本的に混浴ですが、朝8:00〜9:00と夕19:00〜20:30は女性専用になります。

約600年前、岩窟から出てきた一匹の白猿が桂の木の根元から湧き出る湯で傷を癒しているのを見て温泉を発見し、一族が天然風呂として用いるようになったというのがこの「白猿の湯」。私もそうですが、この風呂目当てに鉛温泉を訪れる人も多いのではないでしょうか。
白猿の湯は旅館部と自炊部の間にあります。結構トラブルがあるのでしょう、入口には覗き見と撮影を禁ずる旨の掲示があります(従って撮影は諦めていたのですが、朝食後に「仕上げのひと風呂」に行くと入浴者が誰もいなかったので、失礼して数枚撮らせていただきました)。中に入ると20数段の地下へ下る石段があり、中央に大きな楕円形の湯舟が見えます。まさに「神秘の泉」のような雰囲気です。
下からは2階を通り越して湯気抜きのある天井まで10m以上ありそう。何故このように深いところに湯舟があるのかというと、仲居さんの話では温泉発見以来数百年、自噴が弱まっては掘り、また弱まっては掘りするうちにこの深さにまでなったそうです。

脱衣所は浴場の隅に2箇所。これだとやはり混浴時間帯には女性は入りずらいでしょう。

脱衣所と比べればお分かりのように、湯舟は結構広く、15〜16人くらいは余裕で入れそう。
「日本一深い自噴天然岩風呂」だそうで、湯舟の深さは約125cm、当然立って入ります。立ち湯は全身に万遍なく湯圧がかかり循環器系を整え、血行促進にも効果があるとのこと。湯舟の縁から30cmほどの深さのところが踏み段のようになっているので、そこに腰かけることができます。
白猿の湯は足元湧出。湯舟の底の中心あたりからぷくぷくと湯が湧き出しています。こうして何百年と湧き続けてきたのでしょうか。ただし温泉分析表によると、自噴の「桂の湯」が39℃と湯温が低めのため、50.2℃の「下の湯」(掘削動力揚湯)を混合しているそうです。大きな湯舟の傍らに2人も入れば満員の小さな円形の湯舟があり、こちらはかなり温めの湯です。

無色透明のすべすべした肌ざわりの湯は、上がってからそのすごさがわかります。湯冷めしないを通り越して汗がなかなか引きませんでした。