浪 漫 風 呂
昭和25年に作られた浴場。ローマの噴水を模した湯口から源泉がかけ流されている。
湯は浪漫風呂の地下3メートルから自噴している、金具屋で最も古い源泉で、江戸時代に鍛冶屋から温泉宿に商売替えするきっかけとなった温泉だそうです(源泉名:金具屋別荘)。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉。源泉温度は50.0℃、湧出量は約12L/分、pH 6.43。黄白色に濁った滑らかな肌触りの湯で、舐めてみるとかなりの鉄分を感じます。温泉といい、雰囲気といい、第一級の浴場だと思います。
窓枠の老朽化に伴い、2013年に建具を一新。浴場を飾るステンドグラスもあつらえ直したそうです。浴場入口のステンドグラスは九代目ご主人がデザインしたとか。ローマ神話の「月とディアナ」を日本風に読み替え、地元民話の「大沼池の大蛇、黒姫物語」をイメージしたものだそうで、力作です。
浴場を出た所には昔の旅館にはごく普通に設置されていた共同洗面所が残されていて懐かしい。金具屋の浴場内の設備はシャワーも少なく、しかも旧式でお湯と水の配合調節も少々面倒ですが、カランから出る湯はすべて温泉。全体の雰囲気といい、多少の不便さを穴埋めしても余りある贅沢さです。