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飯坂温泉 〜鯖湖湯〜

いいざかおんせん さばこゆ

福島県福島市飯坂町
飯坂温泉は、鳴子、秋保とともに奥州三名湯に数えられた。その昔、日本武尊が東征の折に立ち寄ったとも伝えられる歴史ある温泉地だ。

摺上川(すりかみがわ)沿いに高層建てのホテルが立ち並び、東北一のスケールを誇る一大歓楽温泉として隆盛を極めた飯坂温泉は、旅行のスタイルが変わった今、新たな発展を模索しているかに見える。
左の写真は飯坂温泉駅前に建つ芭蕉像と「日本最初のラジウム発見の地」のモニュメント。

【飯坂温泉鯖湖湯 入湯レポート】 *温泉情報はこのページのおわりにあります。
JR福島駅から福島交通電鉄飯坂線に乗り、25分で飯坂温泉駅に到着。

電車には源義経や弁慶、そして忠臣、佐藤継信・忠信の漫画が描かれています。沿線に佐藤兄弟一族の菩提寺である医王寺があります。

日本最初のラジウム発見の地
1898年のキュリー夫人によるラジウム発見の翌年、東京帝国大学の真鍋嘉一郎氏によって飯坂温泉にラジウム含有が確認されたそうです。

モニュメントの上部は飯坂温泉名物のラジウム玉子を模したものでしょう(たぶん)。
芭蕉像
元禄2年(1689)、俳人・松尾芭蕉は弟子の曾良とともに「奥の細道」の道中、飯坂を訪れています。熱い湯に浸かってさぞかし旅の疲れを癒したことだろうと思いきや、芭蕉さん、たまたま虫の居所が悪かったのか、次のように綴っています。
「其夜飯塚にとまる。温泉あれば、湯に入て宿をかるに、土坐に筵を敷て、あやしき貧家也。灯もなければ、ゐろりの火かげに寝所をまうけて臥す。夜に入て、雷鳴雨しきりに降て、臥る上よりもり、蚤・蚊にせゝられて眠らず 。持病さへおこりて、消入計になん。短夜の空もやうやう明れば、又旅立ぬ。猶夜の余波、心すゝまず。馬かりて桑折の駅に出る。遥なる行末をかゝ えて、斯る病覚束なしといへど、羇旅辺土の行脚、捨身無常の観念、道路にしなん、是天の命なりと、気力聊とり直し、路縦横に踏で伊達の大木戸をこす。」
その夜は飯塚(飯坂)に泊まった。温泉に入った後、投宿したのは土間に筵(むしろ)を敷いただけの貧乏家。灯火もなく、囲炉裏のそばに寝床を取ったが、ひどい雷雨で雨漏りはする、蚤や蚊にさされるで眠れない。持病(胃弱と痔疾)まで起こって、いや〜参った。夜が明けて再び旅立ったが、気分は鬱・・・・・

旅の厳しさを強調するために誇張して書いたものとも思われますが、飯坂温泉で句を残していないところを見ると、一句ひねる気にもならなかったのかもしれません。

十綱橋(とつなばし)から見た温泉街。

みちのくの とつなの橋にくる綱の
      絶すも人に いひわたるかな (千載集)


平安時代には10本の藤蔓で編んだつり橋がかけられていたといいます。それが義経討伐の鎌倉勢を迎え撃つため、この地の城主、佐藤元治(佐藤兄弟の父)が橋を落とし、以後は両岸に綱をはり、舟をたぐる「とつなの渡し」に頼っていたそうです。再び橋がかけられたのは明治時代になってからのこと。大正4年(1915)に今の鋼アーチ橋がかけられ、飯坂温泉のシンボルのひとつになっています。
それにしてもこれらのホテルは営業しているのでしょうか。くたびれたカーテンが閉まったままの建物が目立ちます。
人気のない通りをお目当ての鯖湖湯に向かって進みます。

駅から歩くこと数分で鯖湖湯が見えてきました。
手前に見えるのが足湯「あ〜しあわせの湯」。川沿いの景色と違い、この界隈は温泉情緒を感じるいい雰囲気のエリアです。
飯坂温泉のシンボル、給湯塔

鯖湖神社とお湯かけ薬師があり、鳥居の傍らには「飯坂温泉発祥之地」の碑が建っています。
鯖湖湯
古くは佐波来湯といい、日本武尊が東征の折に入浴したのも、松尾芭蕉が浸かったのもこの鯖湖湯だと言われています。

平成5年に建て替えられるまで、明治22年築の建物は日本最古の木造共同浴場として知られていました。現在の建物は以前の面影を残して再建されたそうです。
飯坂温泉には、鯖湖湯の他に十綱湯、仙気の湯、切湯、導専の湯、大門の湯、八幡の湯、波来湯、天王寺穴原湯の9つの共同浴場があり、料金はどこも200円。

飯坂温泉は熱湯が身上。特に共同浴場は加水なしのかけ流しで、慣れている地元の人でないと入れないそうですが、鯖湖湯に限って観光客のために42〜43℃に調整して入りやすくしているそうです。
浴場内は撮影禁止なので、文字で様子を説明します。
脱衣所と浴場の間には仕切りのない一体型。天井が高く、床は御影石。木の温もりを感じる素晴らしい浴場です。湯舟は10人くらいは入れる広さですが、我々温泉仲間の5人が昼前に訪れたときにはすでに6人ほどの客で賑わっていました。

皆さん、地元の方のようでしたが、入浴のマナーとしてはいかがなものかと思ってしまいました。我々が遠慮がちに隅のほうに入ろうとしても詰めてくれるでもなく、他の入浴者の頭越しに大声で世間話をし、私の顔面すれすれに桶を突っ込んで湯を汲み、髭剃りをする人がいるかと思うと、湯舟の縁に座って歯磨きを始める人も。共同浴場が地元の人の生活の場であることも、我々観光客は「お借りします」の気持ちで利用すべきことも重々承知していますが、一般にも門戸を開いている公衆浴場である以上、このマナーはどんなものでしょう。少なくとも鯖湖湯界隈を飯坂温泉再生の足がかりと考えているならば。

芭蕉さんのように「鯖湖の余波、心すすまず」などと言っていてはせっかくの旅がつまらなくなるので、温泉街にある旅館の風呂(紹介するほどでもないので割愛)に入り直してから昼食をとりました。
立ち寄り湯した旅館の女将さんに聞いて入ったのが保原屋食堂。餃子とラーメン(飯坂ラーメン「けんか祭り」)を食べたのですが、美味しかったです。この餃子とラーメンが食べられるなら(今度は宿の風呂をしっかりリサーチして)、飯坂温泉はまた訪れたい温泉地です。
また行ってみたい度 こちらをお読みください
やなぎ夫: ★★☆☆☆ やなぎ妻: 未入湯
2009年2月22日

DATA (記載情報は訪問時のものです。変更されている場合もありますのでご注意ください)
【泉質】 アルカリ性単純温泉
【源泉温度】 58.5℃   【pH】 8.5
ノート】 かけ流し
【効能】 神経痛、関節痛、運動麻痺、うちみ、くじき・ 慢性消化器病など
【入浴時間】 6:00〜22:00
 定休日:毎週月曜日 
【入浴料金】 200円
【電話】 飯坂温泉観光協会: 024(542)4241
【地図】 
【アクセス】 東北道福島飯坂ICから国道13号経由で約4km
       JR福島駅から福島交通電鉄飯坂線25分、終点・飯坂温泉駅下車




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