熊の湯温泉 〜熊の湯ホテル〜
くまのゆおんせん くまのゆほてる |
長野県下高井郡山ノ内町志賀高原熊の湯温泉 |
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熊の湯温泉は、冬はスキー、夏は避暑やハイキングで賑わう一大観光地、志賀高原の真っただ中、標高1,700mに湧く高原の温泉。熊の湯ホテルは大正10年開業の老舗である。
熊の湯の発見者は幕末の蘭学者であり、思想家であり、兵学者でもあった佐久間象山。1848年、象山は信州松代藩士として志賀高原の森林開発のために入山中に湯を発見。手負いの熊がその湯で傷を癒しているのを見て、「熊の湯」と名づけたという。 |
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【熊の湯ホテル 立ち寄り湯レポート】 *温泉情報はこのページのおわりにあります。 |
熊の湯は「緑色の硫黄泉」として有名な温泉。長野県側からだと志賀草津道路(国道292号線)を群馬県境の渋峠に向かう途中、ほたる温泉・硯川ホテルの手前を右に折れてすぐのところにあります。目の前は熊の湯スキー場です。
右の写真はホテルの左端にある湯小屋。目指す緑の湯はこの中にあります。 |
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フロントで入浴料を払って浴場へ。タオルも付いているので手ぶらでもOK。浴場の入口は「観光ホテル」的な外観とは違った雰囲気・・・いい感じです。 |
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内湯は男女別にひとつずつあります。
清掃の行き届いたきれいな脱衣所から浴室に入ると・・・
どうでしょう! 檜造りの堂々たる湯小屋。高い天井、太い梁、木の温もり、そして立ち込める硫黄香(硫化水素臭)・・・湯舟は15〜16人は余裕で入れる広さです。木の床には滑り止めの加工が施されていて、利用者に対する気配りも感じます。
温泉研究家の郡司勇氏がその著書『一湯入魂温泉』の中で「国内屈指の風情のある内湯である」と書いていますが、頷けます。 |
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そして、この色・・・まるでバスクリーンを入れたような緑色の湯。
あまりの美しさにしばし入るのも忘れて見入ってしまいました。 |
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注ぎ口に柄杓があったので飲んでみると、典型的な硫黄泉の味とそれをかき消す程の強烈な苦味があり、決して飲みやすいとは言えません。 |
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味とは対照的に肌触りはマイルド、心地よい感触です。 |
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日本庭園を眺めながら入る緑湯もまた格別。
草木の緑がそのまま流れ込んできたかのようです。 |
この温泉がなぜ緑色に濁るのかは解明されておらず、その日の天気や気温によって黄緑がかった透明になったり、乳緑色になったりもするそうです。
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2004年発行の『自遊人・10月号別冊・温泉図鑑』で、熊の湯ホテルの湯舟に湯が注がれていく様子を観察した写真が紹介されていました。どうも注がれる時からすでに薄緑色をしているようで、硫黄泉によくある、はじめは透明でも空気に触れ、酸化して白濁するタイプとは異なるようです。
何もかも科学で解き明かされても面白くありません。「神秘の緑湯」でいいのでは?! |
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女湯の内湯も男湯とほぼ同じです。
2005年に初めて訪れた時は女性専用半露天風呂として、右の写真のような樽風呂(地元山ノ内町の造り酒屋・玉村本店で100年ほど前に作られ、醸造用に使われていた仕込み桶を利用したもの)がありましたが、銅製の箍(たが)が老朽化したために使用できなくなったそうで、2010年に再訪した時には、木造りの露天風呂が新設されていました。 |
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この樽風呂は以前のもの。記念に写真だけ残しておきます。 |
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熊の湯ホテルの緑色の温泉は、「感動」のひと言。従業員の皆さんの接客も気持ちよく、何度も入りに行っているお気に入りの温泉です。 |
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【また行ってみたい度】 →こちらをお読みください |
やなぎ夫: |
★★★★★ |
やなぎ妻: |
★★★★★ |
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2013年8月19日 |
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