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湯平温泉 〜銀の湯〜
ゆのひらおんせん ぎんのゆ

大分県由布市湯布院町湯平
湯平温泉は由布市湯布院町にある温泉地。今でこそ鄙びた風情の山間の湯の街だが、明治から大正を経て、昭和30年代までは別府に次ぐ賑わいをみせたという。特に胃腸に効く名湯として知られ、昭和初期には飲用泉として西の横綱に番付された。

湯布院というとまず由布院温泉を思い浮かべてしまうが、湯布院の「湯」は湯平の「湯」なのだ。1955年、湯平村と由布院町が合併し、町名は「湯布院町」となった。それが2005年、湯布院町、挟間町、庄内町が合併して由布市となったものだから、湯平温泉の住所は由布市湯布院町湯平となった。こうなると地名はシンプルに由布市湯平でよいのではないかと思ってしまうのは私だけだろうか。

【銀の湯 入湯レポート】 *温泉情報はこのページのおわりにあります。
共同浴場「銀の湯」のレポートではありますが、その前に温泉街の紹介をさせてください。湯平温泉というと連想するのが「石畳」「寅さん」「山頭火」。一度は訪れてみたかった湯の街です。

石 畳
湯平の温泉街は花合野川(かごのがわ)に沿って細長くのびていて、石畳の坂道が延々500mにわたって続いています。この石畳が作られたのは江戸時代の享保年間(1716〜1735)だそうで、300年前の人びとと同じ石畳を歩いているのかと思うと不思議な気分です。道幅は狭く、車一台通るのがやっとです。といっても車両通行止めではないようです。
寅さん
湯平温泉は、今は亡き渥美清さん主演の映画「男はつらいよ」第30作『花も嵐も寅次郎』のロケ地でした。マドンナは田中裕子さん、ゲスト出演は沢田研二さん。寅さんによって結ばれた二人は、このあと本当に結婚してしまいましたね。
寅さんの舞台として、山田洋次監督は日本の原風景が残る場所にこだわったそうですが、この石畳の温泉街を見た時には「ここだ」と膝を叩いたことでしょう。
種田山頭火
酒と放浪を愛した俳人、種田山頭火は昭和5年11月にここ湯平温泉を訪れています。
湯平温泉が大そう気に入ったようで、『行乞記』の中で「ここ湯平といふところは気にいった。いかにも山の湯の町らしい。石だたみ、宿屋、万屋、湯坪、料理屋等々々、おもしろいね・・・・・此の温泉はほんたうに気に入った。山もよく水もよい、湯は勿論よい、宿もよい、といふ訳で、よく飲んで、よく食べて、よく寝た。ほんたうによい一夜だった」と記しています。
山頭火ミュージアム 時雨館
山頭火の滞在を記念して建てられました。「時雨館」の名は次の句にちなんだものです。
昭和5年11月11日晴、時雨、初霰。山峡は早く暮れ遅く明ける、9時より11時まで行乞(ぎょうこつ)・・・午後は休養、流れに入って洗濯する、そしてそれを河原に干す、それまでは良かったが日和癖でざっと時雨てきた。私は読書していて、何も知らなかった(谿声がさらさらと響くので)宿の娘さんがそこまで走って行って持って帰って下さったのはじっさい有難かった、今夜は飲まなかった財政難もあるけど飲まないでも寝られる程、気持が良かったので良く寝た。(それでも夢を見ることは忘れなかった)
時雨るるや人の情けに涙ぐむ
無人のミュージアムで入口の箱に維持のため100円を入れます。6畳一間と階段の壁に山頭火にちなんだ書などが
展示されています。外観の雰囲気はよいのですが、内容はもうひと工夫できないものでしょうか。ちょっと期待外れ。
ちなみに山頭火の句では「つかれもなやみもあつい湯にずんぶり」というのが好きです。

石畳の坂道の一角に地元の小学生が作った切り絵と俳句を飾ったコーナーがありました。「カランコロン雨の湯平石畳」「湯平の柚温泉はぽっかぽか」・・・どれも微笑ましい作品です。

それにしても静かな温泉街。訪れたのは午前11時半だったのでチェックアウトを済ませたお客さんたちが帰ったあとなのでしょうが、人影はまばら。実はこのあと車で15分のところにあるお隣由布院温泉に行ったのですが、3連休の中日ということもあって大変な人出だったので、一層湯平の静かさが際立ってしまいました。
それでもここ数年徐々に客足が伸びて活気を取り戻しつつあるようです。雰囲気が台無しになるような騒々しい街になっても困りますが、もっと多くの人に歩いてもらいたい湯の街です。注文をつけると、訪れる人のためにちゃんとした標識や案内図がほしいのもです。駐車場もわかりづらかったです。雰囲気を壊さない(逆に引き立てる)デザインの標識をぜひお願いします。

湯平温泉には坂の上から順に「金の湯」「中の湯」「砂湯」「銀の湯」「橋本温泉」という5つの共同湯があります。すべて無人で入口にある箱に200円入れて利用します。利用時間は6:00〜22:00。地元の方が大事に使っている共同湯ですからマナーを守って入りたいもの。
銀の湯
銀の湯は温泉街の下、石畳の入口近くにあります。なぜ「銀の湯」かというとその昔は川の中にあり、銀粉のような白い結晶物が湯に混じっていたことからその名が付いたといいます。ここ銀の湯と橋本温泉がこの銀の湯源泉を使っています。ちなみに「金の湯」はこの地に金山伝説があり、湯が光って金粉が浮いているように見えたことによる命名だそうですが、現在は源泉が細り、中の湯、砂湯とともに中津留2号源泉を使用しています。
5つの共同湯は平成17年から20年にかけて全てリニューアルされたそうで、とてもきれいです。湯舟や壁なども旅館の風呂のような雰囲気で、結構お金がかかったのではないでしょうか。
透明で柔らかな湯がかけ流されています。湯の温度もほどよく、いつまでも入っていたい気分。上の写真は女湯ですが、男湯も左右対称の同形です。
入口には飲泉所と足湯があります。湯平温泉は特に胃腸に効能があります。湯量がさほど豊富でないからでしょうか、細々としか出ていませんでしたが、飲んでみるととても美味しい温泉でした。

駐車場脇の紅葉がきれいでした。無料駐車場が温泉街の下と上にあるのですが、わかりづらいせいか温泉街を迂回して走る県道に路上駐車している車が多かったです。
また行ってみたい度 こちらをお読みください
やなぎ夫: ★★★★★ やなぎ妻: ★★★☆☆
2008年11月23日

DATA (記載情報は訪問時のものです。変更されている場合もありますのでご注意ください)
【源泉名】 銀の湯温泉
【泉質】 アルカリ性単純温泉 
【源泉温度】 56.8℃   【pH】 8.8
【湧出量】 20リットル/分
ノート】 源泉かけ流し
【効能】 神経痛、関節痛、運動麻痺、うちみ、慢性消化器病、痔疾など
【利用時間】 6:00〜22:00
【入浴料金】 200円
【電話】 0977(86)2367 (湯平温泉観光案内所)
【PH】 湯平温泉公式サイト
【地図】 
【アクセス】 大分自動車道湯布院ICから国道210号経由で約15分
       JR久大本線湯平駅から湯平温泉行きバスで10分



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