学生時代の仲間5人で訪れました。個人的には2度目の宿泊ですが、仲間にも真っ黒な湯を味わってもらおうと計画しました。 |
東京駅から東北新幹線で那須塩原駅まで1時間。駅前から塩原温泉行きのJRバスに乗り1時間ちょっとで塩原温泉バスターミナルに到着(運賃1140円)。JRバスの出発前に電話で頼んでおいた送迎バスが待っていてくれました。約15分で大出館に到着です。 |
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部屋 212号室 |
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大出館の部屋タイプは10畳+広縁+トイレ、8畳+広縁+トイレ、8畳+広縁+トイレ無しの3つ。3週間前に電話したところ、すでにトイレ付の部屋は満室。3連休なので部屋が空いていただけでもラッキー。一泊1万円というのもうれしい。
部屋は清掃が行き届いていて気持ちいい。窓からの眺めもきれいです。前に見えるのは元泉館です。 |
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それでは大出館の温泉をご紹介しましょう。
大出館の自家源泉は「墨の湯(五色の湯No.3)」「五色の湯(No.1)」「御所の湯」の3本。湯舟は混浴の「墨の湯」「鹿の湯」、混浴の「平家かくれの湯」「御所の湯」、女湯「高尾の湯」、家族風呂「藤の湯」、混浴露天風呂「岩の湯」、女性露天風呂「子宝の湯」の8つ。 |
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【源泉名】 |
五色の湯 No.3 |
【泉質】 |
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 |
【泉温】 |
52.6℃ |
【pH】 |
6.4 |
【湧出量】 |
1.6リットル/分 (自然湧出) |
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これが大出館名物の「墨の湯」。鉄分と硫化水素が化合して硫化鉄となり、黒い湯の花が浮遊して真っ黒な湯になる、全国的にも珍しい温泉です。宿のご主人に温泉分析表を比べながら説明していただいたのですが、敷地内に湧く他の源泉「御所の湯」の場合1kg中の第一鉄イオンが0.0mg、「五色の湯」が0.1mgであるのに対して、「墨の湯」は4.4mgあり、この違いが同じ含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉でもこれほどの色の差をもたらすのだそうです。これでも十分黒いのですが、雨が降ったあとは一層黒さが増すといいます。 |
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色とは裏腹に肌触りはとてもマイルド。源泉温度は52℃ほどですが、湯舟では適温からやや温めで長湯ができます。飲泉もでき、飲んでみると若干の鉄と硫黄分を感じますが、意外と飲みやすいです。 |
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墨の湯は基本的に混浴ですが、14:00〜15:00と19:00〜20:30は女性専用になります。
湯舟を増やすために無理に掘ったりすると貴重な源泉を枯らすことにもなりかねないのでこの規模を守っているとのこと。素晴らしい姿勢です。
右の写真、中央が墨の湯の泉源。ここだけがピンポイントで真っ黒な湯が湧き出すそうです。 |
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【源泉名】 |
五色の湯 No.1 |
【泉質】 |
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 |
【泉温】 |
57.7℃ |
【pH】 |
6.5 |
【湧出量】 |
10リットル/分 (自然湧出) |
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墨の湯の湯舟の隣にあるのが鹿の湯。真っ黒な湯とは対照的に白さが際立ちます。源泉名「五色の湯」という名のとおり、晴れると乳白色やエメラルドグリーン、雨天だと灰色に濁るなど天候によってお湯の色が変わるそうです。 |
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湯温は墨の湯よりやや熱めですが、肌触りは同様にマイルドです。こちらも飲泉ができ、墨の湯に比べてしっかりとした硫黄臭を感じます。
墨の湯との交互浴がお勧め。黒に入り、白に入り、そしてまた黒に入り・・・いつまでもいたい浴場です。 |
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【源泉名】 |
御所の湯 |
【泉質】 |
含硫黄-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 |
【泉温】 |
50.9℃ |
【pH】 |
6.2 |
【湧出量】 |
148.8リットル/分 (掘削自噴) |
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左の写真、湯けむりで見づらいですが、手前の湯舟が「平家かくれの湯」、奥が「御所の湯」です。
源平合戦で敗れた平家の落ち武者が隠れ住んだところからの命名だそうです。
そういえば、塩原温泉には「源三窟」という鍾乳洞があり、そちらは平治の乱に敗れた源氏の落ち武者が隠れ住んだ洞窟。源平いずれも逃れ住んだというのが面白い。 |
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混浴露天風呂「岩の湯」は「御所の湯」を出たところにあります。
10人くらいは入れる湯舟で、湯はやや温めで、景色を眺めながら長湯ができます。
板塀の反対側は女性専用の露天風呂になっています。 |
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墨の湯の浴場に温泉分析書がなかったのでご主人に伺ったところ、ロビーの壁に掲示してありました。脱衣所に貼っておくとマナーの悪い温泉マニアが剥がして持ち帰ってしまうのだとか。真っ黒な温泉の成分がどうなっているのか、温泉好きとして気になるのはわかりますが、マナー以前の問題、嘆かわしいことです。 |
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食事はこんな感じです |
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食事は夕食も朝食も部屋出しです。量的にはちょうどよい分量。一品一品丁寧に料理されているのが伝わってきます。特に夕食の黒毛和牛のすき焼き、美味しかったです。これで一泊一万円は申し分ありません。 |
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十数年ぶり、2度目の宿泊でした。名物「墨の湯」は健在、相変わらずインパクトのある素晴らしい湯でした。接客も小回りの利くアットホームないい感じですが、設備の面では好みが分かれるところ。30年前までは満足な道もなく、宿泊客は温泉街から沢伝いに4kmの道を歩いて訪れ、冬場は冬期閉鎖という湯治の宿だったそうですから、贅沢は言えません。まさに「日本秘湯を守る会」にふさわしい一軒。極上の湯さえあれば・・・という人にはたまらない宿です。 |
【また行ってみたい度】 →こちらをお読みください |
やなぎ夫: |
★★★★★ |
やなぎ妻: |
未宿泊 |
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2013年2月9日 |
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