【時の宿すみれ 宿泊レポート】 *温泉情報はこのページのおわりにあります。 |
米沢市内から車を進めること15分、のどかな田園風景から山間の景色に変わろうとする頃、広い前庭をもった時の宿すみれのシックなエントランスが現れました。
チェックインの15時まではまだ15分ほどありましたが、駐車場に車をつけると宿の方が出迎えてくれました。
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内外装ともに洗練されたデザインの宿ですが、実は昭和55年に現社長(女性)の祖父母が開業した「すみれ荘」を、平成17年に全面改装し、「時の宿すみれ」としてリニューアルオープンしたとのこと。
「すみれ」という名の由来を女将さん(というより若社長さんといったほうが似合う方です)に伺ったところ・・・昭和初期、米沢の町に初めて走ったタクシーを運転したのが東北初の女性ドライバーで、黄木肉店の娘さんであり、社長さんのお祖母さんでした。そしてそのタクシーの名が「すみれタクシー」。その後、宿を開業したときも思い出深い「すみれ」の名を付けたのだそうです。 |
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今回の部屋は「みすず」 |
一番高い価格帯の部屋ですが、なにしろ稼働率9割の宿だけに2週間前にたまたまキャンセル空きがあったこの部屋をすかさず予約した次第です。 |
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時の宿すみれは全10室。北欧風・ヨーロピアン風・アジアン風・モダンリビング風・アトリエ風・茶室風・和風寝室風・古民家風・書斎風・和風モダン風と、全室が異なる造りになっています。 |
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「みすず」は北欧風。ブラックのソファーにレッドのクッションがスタイリッシュ。ブラインド風の壁(?)で仕切られた寝室は淡い色調でくつろげます。 |
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作務衣と浴衣が用意されてい
ます。 |
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この宿では作務衣の方が合
うかも。足袋ソックスの裏には
滑り止めがついていて至れり
尽くせりです。 |
洗面台は至ってシンプル。蛇
口から出るのは飲用にも適し
美味しい水です。 |
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フルオートのトイレは実に広々
としています。これは想像です
が改装前は欧米式のバストイ
レだったのでは? |
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部屋にはテレビも時計もありません。「時の宿」と冠しているとおり、ここでは日常から離れた特別な「時」を過ごしてほしいとの宿の思いです。
ミニコンポとイージーリスニングのCDが3枚ありました。お気に入りのCDを持参するのもいいかも。 |
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たまにはテレビなしで読書をしたり、お茶を飲みながらぼーっと景色を眺めたりして過ごすのもいいものです。
ところで窓の外、木立の向こうに横に走る青いもの、何だかおわかりですか? |
右の画像にマウスポインターをあててみてください → |
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そう、山形新幹線(奥羽本線)の線路なのです。山形新幹線「つばさ」は超高速で走るわけでもなく、本数もあまり多くないので、特にうるさくも感じませんからご安心を。ここで唯一時の流れを感じさせる存在といったところでしょうか。 |
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冒頭にも書いたように、湯の沢温泉は元禄時代の温泉番付『諸国温泉効能鑑』の前頭に名を連ねている古湯で、深傷を負った猿が湯に浸り癒しているのを源義経の家臣が見つけたという言い伝えも残っているとか。
源泉温度が26℃と低いので加温していますが、5つある湯舟すべてかけ流しで使用しています。驚くほどよく温まり、そして眠くなる湯です(我々夫婦では「いい湯は眠くなる!」が法則です(笑))。 |
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ラウンジには本棚があり、自由に部屋に持って行って読むことができます。もう少し本が多ければもっといいかな・・・。CDの貸出しもあるとうれしいのですが。その隣には「酒蔵」があって、食事の際に飲む酒を選べるというシステム。ワイン、焼酎、そして山形の地酒・・・酒好きにはたまらない趣向です。 |
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時の宿すみれの一番の売りは米沢牛づくしの夕食。女将(社長)さんのご実家が米沢牛を扱う老舗精肉店「黄木(おおき)」。店は弟さんが継いでいますが、これからご紹介する特上の米沢牛料理をこの宿泊料金で提供できるのは「黄木」あってのこと。 |
右のお品書きをクリックしてください→ |
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朝食は8時半からとちょっと遅めでうれしい。四角い大皿に盛られた料理は野菜・山菜中心で目でも楽しめます。牛の煮こごりも美味。豚汁と思ったら牛汁・・・一貫していてすばらしい!(笑) 量もほどよく、美味しくいただきました。 |
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食後はラウンジでコーヒーのサービス。
社長さんの入れてくれたコーヒー、美味でした。
チェックアウトが11時なので、このあとまた温泉に浸かり、部屋に戻ってベッドで本を読んでいるうちにうとうと・・・至福のひととき・・・ |
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時の宿すみれは雑誌『自遊人』の2009年「温泉宿大賞」「美味しい宿大賞」でも大きく取り上げられた宿。今回、楽しみにして訪れました。
実は「時の宿すみれはおふたり様専用の旅館です」というキャッチフレーズに、「もしかしたら若者向けの宿では」と一抹の不安もありました。しかし、宿泊した日も若夫婦もいれば年配の夫婦もいて客層は広く、親子、姉妹、女友人どうしなどの利用もあるようです。『自遊人』にも書いてありましたが、くつろげるパブリックスペースがあること、部屋風呂がないことが「お忍びの宿」化しない理由かもしれません。是非この路線でいってほしいと思います。
料理最高、温泉上質、接客も上々(偉そうなことを言わせていただけば、長野の仙仁温泉岩の湯的な接客にまで磨きがかかれば、ものすごい宿になりそう)。時の宿すみれ、是非また訪れたい良い宿です。 |
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【また行ってみたい度】 →こちらをお読みください |
やなぎ夫: |
★★★★★ |
やなぎ妻: |
★★★★★ |
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2009年11月21日 |
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