2泊3日韓国・釜山見聞録  (2005年3月10〜12日)

1日目:3月11日(金) /
朝起きるとどんよりとした曇り空。昨日はコートを持ってきたことを後悔するような気温でし
たが、今朝はものすごい寒さ。ソウル方面は雪だそうです。
朝食はアワビ粥。ガイドさんにホテル裏手の店を紹介してもらいました。ホテル至近で
日本人客も多いらしく、日本語が通じました。アワビ粥10,000ウン(約千円)。これが実に
美味! お粥にアワビのみじん切りが入っていてフレーク状の韓国海苔を混ぜて食べます。
一緒に付いてきたキムチがこれまた美味しくて御代りしてしまいました。

【キムチと唐辛子のこと】

ここでちょっとキムチのことに触れたいと思います。
ひと口にキムチといってもいろいろな種類があり、さらに家庭や店によっても味が違います。
以下は最終日に空港までのバスの中でガイドの「真紀子さん」から聞いた話に、あとから調
べたことを加えてご紹介します。

韓国ではどの家庭でも年末になるとキムチを作ります。作ったキムチを保存するための専用
冷蔵庫もあります。また、大量のキムチを作るための費用援助に会社からキムチ手当てが
支給され、さらにはキムチ休暇まであるそうです。ただ、最近ではキムチを作らない家庭が
増えており、そうした慣行もなくなりつつあるとか。

韓国人に肥満が少ない理由、そして韓国人のパワーの源はキムチだと言われていますが、
そこになくてはならないのが唐辛子。ところがその昔、キムチ漬が生まれた当時は唐辛子を
入れなかった、というより韓国に唐辛子が存在しなかったというのです。なんと、唐辛子は日
本から伝わったそうなのです!

15世紀後半の大航海時代、かのコロンブスが中南米から唐辛子をヨーロッパに持ち帰り、
16世紀半ばにポルトガル人宣教師により九州は豊後の戦国大名・大友氏に伝えられました。
日本から朝鮮半島に唐辛子が紹介されたのは16世紀末から17世紀初めのことで、秀吉の
朝鮮侵攻時に兵器(目潰し戦法かなにかだったのでしょうか?)として持ち込まれたなどとい
う説もあるようです。その経緯はどうあれ、日本からもたらされた唐辛子をキムチに入れたと
ころ大当たり。以後、唐辛子はキムチになくてはならないものとなったそうです。

アワビ粥に大満足した後は、いよいよ東莱温泉(トンネオンチョン)へ。ホテルからお目当ての虚
心庁(ホシムチョン)までは地下鉄1号線を使って徒歩を含め30分弱で行くことが出来ます。
東莱温泉・虚心庁。詳しくは温泉本編で紹介しましたが、韓国の温泉の様子を知ることもで
き、訪れてよかったです。この日の気温は吐く息の白さからみても5℃以下だと思いますが、
体はいつまでもぽかぽかで、温泉パワーを感じました。

温泉を存分に楽しんだ後は、昼食です。ガイドブックでチェックしておいた東莱パジョンの名店
を目指します。最寄り駅は温泉場駅から2駅戻った東莱駅。大雑把な地図を頼りに店を探し
たのですが見つかりません。こうなったら道を聞くしかありません。韓国語は妻の役目。「冬ソ
ナ」以来、韓国に興味を持ち、約半年前からテレビのハングル講座で勉強してきたのですが
実践練習です。三人連れの若い女の子にガイドブックを指し示しながら尋ねると、やはり有名
な店のようで、そのうちの一人が知っていて店のすぐ前まで案内してくれました。昨日の駅員
さんといい、韓国の人は親切です。地図係の夫の言い訳ですが、道を尋ねた所から店までは
100m弱・・・いいセンいってたのです。
東莱(トンネ)ハルメパジョン

地下鉄1号線東莱駅から徒歩10分くらいでし
ょうか。表通りから少し入った所にあり、店の
構えも小さいのでかなりわかりづらいです。

営業時間: 11:00〜22:00
店の中はオンドル(床暖房)の座敷で明るく
清潔な雰囲気です。

パジョンは日本ではチヂミの名で親しまれて
いる韓国流お好み焼き。東莱パジョンはもち
米の粉にだし汁と牡蠣などの海産物を入れ、
大量のパ(ネギ)に絡ませるように焼き、卵で
とじたもの。ふっくらとしていながら中はとろっ
としていてびっくりする程美味しい! 今まで
日本で食べてきたチヂミは一体何だったのだ
ろうと思いました。
日本語付のメニューはあるのですが、日本語は全く通じません。サイズは大と小のふたつ。
シンプルな東莱パジョンの他にもう一種類パジョンがあったので、それぞれ小をひとつずつ注
文しようとしたら店員さんに止められました。二人なら小ひとつ(15,000ウン=約1,500円)で
十分の量で、スープなど5品目の付属料理(?)が付きます。
ドンドンジュ(どんどん酒)というのがあったの
で、飲んでみました(6,000ウン)。
簡単に言えば、どぶろくです。ややとろりとし
た感触ですが、ほのかに甘く、しかも爽やか
で韓国料理とよく合います。アルコール度数
は7度くらいです。

調べてみると、蒸したもち米に麹と水を混ぜ
て発酵させた酒だそうですが、どうもマッコル
リと区別がつきません。これについて詳しい
サイトを見つけたのでご覧ください。
http://www.koparis.com/~hatta/gimon_003.htm
東莱ハルメパジョン、探し歩いた甲斐がありました。

このあと、東莱市場をぶらりとしてホテルのある西面に戻りショッピング。
夕食は焼肉を食べにガイドブックで「おすすめ」とある店に行ったのですが、これはこの旅行
中唯一のハズレ。高い(他のものが安いからそう感じたのかもしれませんが)し、期待してい
たのと違ったものが出てくるし。で、教訓・・・「韓国では観光客目当てのしゃれた店よりも庶
民的な店に行くべし。その方が断然安くて美味しい。」

夜はホテルに戻り、予約してあった『東洋の
神秘』という民俗芸能と曲芸のショーを観まし
た。

左の写真はパンフレットから借用したもので
すが、オゴムという五太鼓舞。勇壮かつ華麗
な芸術で感動しました。

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