自称「温泉同好会」の2人(今回は仕事のため1人欠席)で訪れました。 |
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ある年令以上の方はご記憶にあるかとも思いますが、「細うで繁盛記」という1970年1月から翌年4月まで放映されたテレビドラマがありました。熱川の旅館・三水館に嫁いだ主人公・加代(新珠三千代)が、夫の妹(冨士真奈美)や義父(吉田義夫)に「加代、おみゃーの出る幕じゃあにゃーずらよ」「おみゃーにやる飯はにゃーだで」といびりまくられながらも旅館を盛り立てていくという話。続編には土肥温泉も出てきました。
その「細うで繁盛記」(原作名「銭の花」)は作家・花登筺によってここ新井で執筆されたそうです。逗留した部屋は「こばこ」という名で今も客室として使われています。 |
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今回通されたのは本館の「こち」という部屋。10畳間に次の間、そして広〜い広縁がついています。 |
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宿は「詩季亭」「海花亭」「石心亭」「本館」「別館」から成っていて、木造二階建ての本館が一番古い建物とのことですが、トイレはウオッシュレット、それに温泉が出る部屋風呂までついています。 |
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温 泉 |
男女別の大浴場(どちらも内湯と露天風呂がある)と3つの貸切風呂があります。このうち本館宿泊で利用できるのは大浴場と「玉竜」という貸切風呂。 |
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名称は「男の湯」ですが、午前0時から10時は女湯になります。両方の浴場を味わいたいという要望に応えてのことでしょう。 |
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内湯、露天風呂ともかけ流しとろ過循環の併用。どちらにも熱湯とぬる湯二つの湯舟があります。 |
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名称は「美人の湯」ですが、午前0時から10時は男湯になります。これはもちろん朝風呂で撮った写真です。 |
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チェックイン時に予約して45分間無料で利用できる貸切風呂です。 |
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内湯、露天風呂ともに無加水無加温の源泉かけ流し。 |
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大浴場も決して悪くないのですが、入り比べると違いは歴然、包まれるような浴感の素晴らしい湯です。そして浴場は広々。それもそのはず、仲居さんの話ではかつては本館の大浴場として使われていたそうです。 |
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夕食は部屋でいただきます。
今回利用したプランでは、メインに「鮑踊焼き」か「牛石焼き」のいずれかを選べます。やはりせっかく伊豆に来たのですから、迷わず・・・ |
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先付け: 鱧ザク |
酢の物:網茸菊花羽リンゴ酢和え |
煮物椀:ホタテ真丈、松茸 |
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刺身:手長海老・地魚 |
煮物:小金目煮付け |
焼物:鮑踊焼き |
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温物:南京蒸し |
揚物:茶巾焼売 |
ご飯:桜海老の釜飯 |
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止椀 :ワタリガニ味噌汁 |
デザート |
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朝食も部屋でいただきます。
清く正しい旅館の朝食、美味しかったです。 |
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ロビーに内田康夫さんの色紙が飾ってありました。
つまと摘む また色浅き たらの芽の
針の痛さや 春やきにけり
平成14年10月の日付です。残念ながら内田康夫さんは今年2018年の3月にお亡くなりになりましたが、これは奥様と訪れた折のものでしょうか。
帰宅してから知ったのですが、浅見光彦シリーズのひとつ「喪われた道」の中に玉樟園新井の女将が登場する。 |
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・・・旅館は玉樟園という、土肥温泉の中でも名門に属する旅館だそうだ。夏休みの書き入れ時に、フリーの独り客を泊めてくれるかどうか・・・と心配したが、出がけに、須美子の嫌いな例の軽井沢の作家センセと、電話で土肥へ行くと話をしたら、「だったら玉樟園に泊まれ。僕の名前を出せば泊めてくれるよ」と言う。「美人の女将は僕の恋人だからな」などと、大きなことを言っていた。・・・ |
「軽井沢の作家センセ」はもちろん内田康夫氏。氏の大ファンを自負する私としては迂闊でした。土肥金山が絡むこの作品はもちろん読んだことがありますが、文庫本3ページに渡る女将との絡みは記憶から抜けてしまっていました。私としては「細うで繁盛記」以上に大事なのに・・・。 |
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玉樟園新井は創業100年という老舗旅館、落ち着いた雰囲気のいい宿でした。古い建物を維持していくのは大変なことですが、それを逆手にとってCM、ドラマ、映画などのロケ地としての利用に積極的に協力しているようです。頑張ってほしいと思います。 |
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【また行ってみたい度】 →こちらをお読みください |
やなぎ夫: |
★★★★☆ |
やなぎ妻: |
未宿泊 |
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2018年12月9日 |
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